相続・遺言の基礎知識
相続手続きの一般的な流れ | |
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1 死亡届 | 死亡の事実を知ってから7日以内に親族などの届出人が、届出人の所在地(住民登録地又は居住地)、死亡者の本籍地、死亡者の死亡地の市区町村役所へ届け出ます。 |
2 遺言書の確認 | 公正証書遺言のほか自宅の金庫や貸金庫、仏壇、机やタンスの引き出しなどに自筆の遺言書が保管されていることがあります。自筆の遺言書を発見しても、すぐに開封せず、家庭裁判所での検認手続を行うようにします。遺言書の有無によりその後の相続手続きは分かれます。 |
3 遺言書がある場合 | 公正証書遺言の場合は、直ちに遺言書の執行を行うことが出来ます。 公正証書以外の場合は、家庭裁判所の検認手続きを経て遺言を執行します。なお、令和2年7月10日から法務局遺言書保管制度が開始になり、この場合は家庭裁判所の検認は必要なくなりました。 |
4 遺言書がない場合 | 相続人調査、相続財産の調査を行い、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかに決定します。 |
5 遺産分割協議 | 単純承認の場合は、すべての相続人の間で遺産分割協議を行い、成立すれば遺産分割協議書を作成し、実行します。 どうしても協議が成立しない場合は、裁判所の調停や審判を申請することが出来ます。 |
6 手続きの中には、期限が定められている場合があります | 相続放棄は3ヵ月以内、準確定申告は4ヶ月以内、相続税申告・納税は10ヵ月以内と定められています。 |
相続財産 | |
プラスの財産 | 土地・建物など不動産、預貯金・株式等有価証券など金融資産、自動車・貴金属・書画骨とう品・現金などの動産、その他ゴルフ会員権・非上場株式・貸付金・知的財産権などあらゆる金銭的な価値を有するものが含まれます。 |
マイナスの財産 | 借入金、未払金、税金の未払い分、保証債務などが対象になります。相続税の算定上はプラスば遺産からマイナス財産を差し引くことが出来ます。 |
相続順位・相続分 | |
相続順位 | 相続する人には順番があります。先順位の人がいないときは次順位の人が繰り上がります。配偶者は順位に関係なく、常に順位にあたる人とともに相続人です。 第1順位 死亡した人の子 第2順位 死亡した人の父母や祖父母(直系尊属) 第3順位 死亡した人の兄弟姉妹 ※該当する順番の人が亡くなっていても代襲相続が出来る場合は、次の順番に行きません。 |
相続分(相続割合) | 配偶者+第1順位の人 ⇒配偶者二分の一 第1順位の人全員で二分の一 配偶者+第2順位の人 ⇒配偶者三分の二 第2順位の人全員で三分の一 配偶者+第3順位の人 ⇒配偶者四分の三 第3順位の人全員で四分の一 |
相続税 | |
課税対象 | 相続税が課税される財産は、端的に言えば、相続又は遺贈により取得した財産で経済的価値があると認められる全てのもの(例えば現金・預貯金、有価証券、不動産、絵画・骨董品、生活用動産、ゴルフ会員権等)ですが、本来の(民法上の)相続・遺贈財産に加え、下記(1)~(3)もこれに含
まれます。 (1)相続又は遺贈により取得したものとみなされる財産(例えば死亡保険金や死亡退職金) (2)相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内にその相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産(贈与により取得したとみなされるものを含み、下記(3)に該当するものを除く。 (3)相続時精算課税制度の適用を受ける贈与により被相続人から取得した財産 |
基礎控除額 | 相続税の総額を計算する上では、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格の合計額から、次の算式により計算した遺産に係る基礎控除額を控除します。 3,000万円 × 600万円 × 法定相続人の数 |
申告・納税 | 課税対象額が基礎控除額を超えない場合は、課税されません。申告も必要ないとされています。この辺りは、自己判断せず、専門家の判断に任せるべきでしょう。申告・納税の期限は相続開始の日から10ヵ月以内です。 |